第41章 冬での一時
シノン「いい?ケイト。
理不尽に対して怒る権利は誰でも持ってる!
だからそういう夢を見て苦しい時は言いなさい!!」
ケイト「でも…そういうことやったからだって言われたし…
自分が悪いんだって、周りは言ってたから」
シノン「そんなの鵜呑みにすることじゃないわよ!!
いい!?よく聞いて!
それは、ただ自分を押し殺しているだけよ!!
周りがそうだから、数が多いから、だからって鵜呑みにしてたら悪さえ正義になるわ!!
それよりも…見ないといけないことがあるって教えてくれたのは、他でもないあんたでしょ!!?
あんたでなきゃ…私はきっと、救われなかった。
あの時…初めて会って助けを求めた時…あぁいう風に言われて、本当に嬉しかった!!(涙目)
初めての、人だったから…
だからね…あんたは堂々としてなさい!!」両肩掴
ケイト「え?」
シノン「合わない人は、どんだけ合わせようとしたって合わないのよ!
絶対いつかぼろが出る!!その時まで嘘を塗り付けて固めて、それまで傷付くのはあんただけになるの!
それでも抵抗しなかったのは…反抗しなかったのは…
そうした時に父親から余計辛い目に遭わされたからなんでしょう!?」
ケイト「う、うん」
シノン「私は!…私は、あんたのことちゃんと見てるから。
口先も手も不器用だってのは、初めて会った時によく見えたわ。
他の人も、そればかり見て、決めつけてたんでしょう?
ちゃんと…見たら、わかるわよ。
だって…あんなになってまで、人に尽くす馬鹿なんて他にいないものっ(涙)
ぐすっ。
どこに行ったって、あんなこと言ったって…余計なお世話だって言ったって…あんたは退かなかった。
でもそのお陰で、あんたのお陰で勇気が出せるようになったのよっ;;
だから…そんな風に押し潰されないでよ。
私だって…あんたのこと、助けたいんだから」ぎゅうっ
ケイト「……うんっ(ぽろっ)
ありがとう、シノン^^
その気持ちだけで、本当に嬉しいよ;」涙
抱き締めた理由は、私が縋りついた時に抱き返してくれたから。
その時の温かさが…私を安心させてくれたからだった。