第41章 冬での一時
シノン「でもそんなに短くていいの?」
ケイト「うん。撹乱するのは得意だし、身体に当たる前に銃弾の横っ腹に当てて叩き落とせば終わりでしょ」
シノン「そんなにうまくいくかしら?」
ケイト「いくさ。
だって銃弾は真っ直ぐな動きしか出来ないから、横からの動きには弱いんだよ。
だからそこを叩けば普通に軌道を逸らせる。たとえ斬れなくてもね」
シノン「なるほど。
そういう説明を誰かはしてくれないし、それを実行してはいなかったわね。
見せつけるように銃弾を斬るだけで」じろ
キリト「おいおい;」苦笑
ケイト「そりゃ当たりそうになったら斬るさ、私もね。
死にたくはないし」
そう笑う彼女に、私は短剣を紹介した。
彼女は元から一対の短剣=『二本で一つの装備』という、《双短剣》に分類される武器を使用していたらしい。
そんな短剣があることを知らなかったから、へぇーと聞き流す程度にしていた。
でも、日本刀のような波紋がある刃物でなければ嫌らしくて…意外とこだわるタイプだったのね。
コンバートする前のスキルで鍛冶スキルがあったみたいで
全長58cm程度の双短剣というものを作ろうとし、私は素材選びを手伝うことになったわ。
シノン「はい。
買う人がいないから売られていないことが多いのだけれど、まだ残っていてよかったわ」微笑
ケイト「ありがとう、シノン^^」
その素材を二本分買ってから即座に作り出し、できた双短剣という武器を両腰へ鞘を作って装備した。
防具もまた白一色ともいえるようなもので、とても動きやすい軽量そのもののものに決まったわ。
キリトの黒一色とは対照的になったわね。
師弟で好みも違うだろうからそれはそうなんだろうけれど、ここまで外見に明確に出るなんて…。