第41章 冬での一時
隙間に体を通すかのように一瞬で体位を変えながら走り続け
そんな最初の走りの勢いを殺さないまま、キリト以上のとんでもない速度で8mラインを超えた。
あいつなら銃撃2回目の時点で10m、それを凌駕している。
でもケイトは明らかに違う。横の動きなんて一切加えてない、直線的過ぎる動き。
銃撃2回目の時点で上体を動かしながら横っ走りで避けながら走り続けている。
その時点で、15m。
それから後の動きは、とんでもないものだった。
横についてある板を足場に反対側の板へ跳び、再び足場の反対側に、再び同様に
といったように、板と板の間をとんでもない勢いで跳びながら突き進んでいった。
まるでピンボールのようにも見えるほど目まぐるしく変化し続けるその軌道は凄まじく速くて、一瞬で残り5mのラインなんて越えていた。
そして2mになった瞬間、板に着地した所を撃たれた。
それでもそのレーザー銃を跳躍と共に宙返りで避け
板への着弾とほぼ同時に、ケイトはガンマンの頭の上に着地した。
ケイト「つっかま~えた♪」にや
まるでいたずらっ子が、いたずらに成功したかのように楽しそうに笑っていた。
でも、一つだけ違っていた。
シノン「違う!ガンマンの胸に触るのよ!!」
内心焦りながら叫ぶと、その時にはガンマンから銃を向けられていた。
『!!』
キリト「ケイト!」
思わずキリトが叫ぶ中、煙が上がった。
それが晴れた時に見えたのは、普通ならまずあり得ない光景…
ケイトが、咄嗟に左裏拳で銃口を逸らして防いでいた光景だった。
ケイト「もぉ~。それならそうって早く言ってよ。ね!」
そう叫びながら脱力してガンマンの左隣に着地、続く2射撃を避け
瞬く間に立ち上がると共に左手を胸へ突き出した。
それと同時に銃はケイトの方を向いて、その頭へ銃を向けて撃ち抜かれた。
でも…それもまた、右手で「ガンマンが右手で持っていた銃」を右腕ごと押さえて横へどけることで銃ごと弾道を逸らしていた。
勝敗は、僅か数瞬でついた。