第7章 涙と決意
キリト「グレイクも大変そうだな…
いや、それほどではないかもな。
根はいい奴だし、単純だし、解りやすいし…)
そういう意味じゃなくて、ただ…
無茶をし過ぎないよう、心配しながら見守ってくれている人って感じだと思うぞ?
無茶をし過ぎていても、ケイトの場合わからないだろ?」
ケイト「う~ん。確かに。
10日徹夜しても別に平気なら続行するし
仮眠するにしてもここ最近2時間も眠れないし…やっぱ、あの悪夢を見そうになるからかな」
アスナ「悪夢って?」
私達はまだ、転移門から歩き始めたばかりだった。
そんな時、ケイトちゃんの話があんなにも重いなんて思いもしなかった。
ケイト「…アスナ、25層ボスの時…私、泣いてただろ?」
アスナ「…ええ。
それと、玄関の扉を開けた時の光景が流れ込んできたわ。
血にまみれた女性と女子が玄関に伏してて
刃物を持った男性に睨まれた…そんな光景が」
ケイト「あの男性が、私の父親だ」
『!!』
ケイト「でもって、母親と姉が殺された光景なんだ。
最初は…夢だって思いたくて、病室で意識が戻ってから
必死に抜け出して、走って、戻っていった。
でも…夢なんかじゃなかった。
玄関に残った血が、それを夢だなんて思わせてくれなかった」
それから…
衝撃的な過去が伝わってきた。