第7章 涙と決意
キリト「なんにせよ…お前はもう少し自分のことを大事に思わないとだな」
ケイト「ん?そうしたら怒られてばかりだったけれど」
アスナ「今はその昔とは違うから」きっぱり
ひどい環境で生きてきたことは知っていたけれど…
実の父に殺されかけるというのは、トラウマよね。
挙句の果てには同時進行で学校でのいじめ。
家でも学校でも気の休まらない日が、小学4年の頃から毎日ずっと続いていたらしいから…
きっと余計に、その変化に耐えられないのかもしれない。
ケイト「う~ん…頑張る;」
キリト「じゃあ、レジャーランドへ行こうか」
アスナ「ええ」
キリト「ケイト。
前にも言ったけど、無理はするなよ?
もう独りじゃないんだから」
ケイト「努力する」こくこく
アスナ「大丈夫よ。グレイクさんが見張ってるもの」
キリト「お目付け役か^^;」
頷くケイトちゃんと心配するキリト君に
思わずそう話すと、キリト君が苦笑交じりにツッコんできた。
ケイト「む~。なんかその響きやだ!
自分がまだまだ至らないから、その面倒見てやってる人って感じがする」
キリト「その言葉に対する固定概念か…;」
アスナ「基本としての意味は、その者を見守る者。
でもケイトちゃんが考えているのは…
対象を見守り、良い方向へ導くべく、面倒を見る、指示を出す者のことよね?
つまり監督役としてとらえているから、いい気分がしないのよね。
その操り人形といったようにも思えるから」
ケイト「そう!!(腕組」こくこく
キリト「とても素直な反応だな;」
アスナ「純粋過ぎるのよね^^;」
ケイト「だって言いなりにならなきゃ、まともに何も出来ない人って感じがするからさ」ぶつぶつ
「お目付け役」という言葉への偏見というか、認識の相違だと解ったのはこの時だった。