第40章 窮地
ケイトお姉さんは…とっても泣いていた。ぼろぼろと止まらなくって、舐めても舐めても止まらなくて…
「誰がやったんだ!」って怒った。人生で初めて周りを威嚇した。
ケイトお姉さんと周囲の間に立って、「ふー!!!」って。
全身の毛が、尻尾まで逆立ったのを感じた。
でも、「これは嬉しくて泣いてるんだよ。だから怒らなくていいんだよ?」って教えてくれた。
ケイトお姉さんは、不安だったらしい。
「暴力や暴言ばかり受けてた自分が、まともに育てられるのか」って…
でも、そんなことはないって解って、とっても嬉しくて涙が止まらなかったらしい。
それを聞いてから、また何度も何度も舐め続けた。
泣き止むまで何度もずっと…ケイトお姉さんがそうしてくれたように、二人が寄り添い続けてくれたように。
たまに変なのを頭に付けて寝てる時間が多い時もあるけど、そこまで多くはない。
それとコードには噛んじゃダメって教えられたから、そんなに近付かない。
それよりも眠ったように横になったままの二人のすぐ傍に座った方が、心地よくってすぐ眠れるから。
今はルンバの上に乗る芸を挑戦中。
「足代わりに使ってみる?」と言われたのがきっかけ。
最初は上に乗ってお座りを続けるのも結構難しかったけど、1日経った今では楽々できるようになった。
今は電源ボタンを憶えて、その上に乗ってるだけだけど
いずれはその周りにあるボタンを使い分けて、進むコースをリードするのが自分の理想なの。
自分の名前はミー。クレハお姉さんにつけられた。
12月22日(月)にお披露目があるみたいで、写真を何度も見せられている。
自家用ヘリに乗る訓練も頑張っている所。
うまく出来たら、また褒めてくれるかな?♪
そんな想いと一緒に、また今日という一日が過ぎていく。
ケイトお姉さん、クレハお姉さん、ずっとずっと、一緒だよ♪
今日もまた、一緒に過ごすんだ^^
知らないどこかに行って、自分は受け入れてくれる場所を知った。
初めて幸せを知った。
この場所で、これからも二人と一緒に過ごそう。
何度でも何度でも、ずっとずぅっと…
今日は、何をしようかな?――