第40章 窮地
~おまけ・終~
・想い
あの時間の中…私はただ、シノンが過去を乗り越えられることを祈るばかりだった。
殺した命は確かに決して返ってはこない。
でもその分までその命を背負って生きるしか、そうすることで償うしかない。
結局…過去のことを赦せるか赦せないか、結局は「自分次第」だ。
それは、クレハと共に乗り越えてきたからこそ思い至れた結論。
それを、教えたかった。
それを糧として受け止めて、その上で背負って、これからの人生を生きていく。
全部と向かい合って、その上で…
これがなかなか難しい。私は結局、自分を赦せないまま生きていたから。
そうでなければ、「自分が傷付いたり(以下略」←1356ページ参照
なんて、想い続けられるわけがない。
目の前に辛いことが降りかかっても、目の前の全てが不安に押し潰されたとしても…
それはいずれ、過去になる。
それをどう受け止めて、どう乗り越えていくか…
それは…隣に居る、信頼できる「大切な人」にぶつけて支え合えばいい。
だから…言ったんだ。
「一人で抱え込まないでくれ」って……←1357ページ参照
それからの帰り道…結局シノンの住むアパートに送ることになった。
それらの胸中の想いを伝え終えてから、私はシノンに言った。
ケイト「それにしてもアパートだったんだ。てっきりマンションだと思ってた」
シノン「……あんた…愚直過ぎるわよ」微笑
ケイト「え?」
シノン「だって…そのお陰でこっちは今すっきりしてるんだから」
ケイト「んー。そうなの?」
シノン「微笑)ええ…
あんたの言った通り、会ってよかったわ。
その…ありがとう//」
ケイト「!!?//…い、いや、気にすんな。友達、だろ?」ぽりぽり
シノン「だって……あんたは…差別しないじゃない。
人殺しとか、そういうので」
ケイト「そりゃされたら嫌だからに決まってるじゃん。その気持ちだって解ってるしさ。
って言うかそれだったらキリト達もそうだぞ!?
ラフィンコフィンの件話しても差別しなかったし」
シノン「それとこれとは別よ。
あんな覚悟背負ってまで言い放って…あんたみたいな人に会えたの…今では感謝してるんだから」
シノン…(じーん)
そう思ったのも束の間、すぐさま凄い一言が切り出された。