第40章 窮地
~おまけ~
・アパート襲撃事件から2日後
シノン「ちょっと…何で高級車?;滅茶苦茶目立ってるんだけど;」
ケイト「ごめん;安全の為にって聞かなくって;
少なくとも目立たない場所を選んだつもりだったんだけども;」
シノン「まあ、そうね…裏門って言ったのはそのためだったのね。
ありがとう」微笑
待ち合わせ場所はシノンの学校だった。
それから車に乗ってもらって渋谷へ向かい
高級喫茶店で菊岡と合流して、教えられた情報をもとに予定通り話し合うことになっていた。
あの時シノンに襲い掛かっていた男の名前は新川恭二といい
ザザの弟だったらしく、遺族として映像を見た時
如何に殺戮者として恐れられたか、恭二にとって兄は英雄に見えていたそうだ。
菊岡「VRMMOのダークサイドかな…現実が薄くなっていく。
君にとっての現実はどうなんだい?ケイト」
ケイト「私にとっての現実は、目の前の全てだ」
菊岡「全て?」
ケイト「眠ってる間の夢だろうが、仮想世界だろうが現実だろうが関係ない。
目の前にあって、感じて…その全てが、自分にとっての現実だ」
菊岡「ほお」驚←目を丸くする
ケイト「その中で自分にとって恥じない自分であること。
そうでなきゃ、未来の自分が自分を赦さない」
菊岡「実に興味深い答えだね」微笑
シノン「恭二くんはこれからどうなるんですか?」
菊岡「医療少年院へ収容となる可能性が高いと僕は思う。
何せ現実という物を持っていないわけだし…」
シノン「そうじゃないと思います。恭二君にとっての現実はGGOの中にあったんです。
この世界を全部捨てて…GGOの中だけが現実とそう決めていたんだと思います。
恭二くんは文字通り転倒させたんです。この世界とあの世界を」
菊岡「しかし何故?」
ケイト「それに関しちゃ会って話さなきゃわからないと思う。
その人の考え方は、ちゃんと面と向かい合って話さなければわからない。
テレパシーなんてものを持ってない限り、伝わることはないから」
シノン「そうね…
私、会いに行きます。
今まで何を考えてきたか、今何を考えているか話したい」
菊岡「あなたは強い人だ。そうしてください。
面会ができるようになったらご連絡しますよ」
それからお開きになり、私はシノンをある場所へ誘った。