第40章 窮地
ケイト「でも、クレハに会えたお陰で変わった。
たくさんの人達のお陰で、大丈夫だと思った。そんなことをしない人達だったから。
だから…先輩として、一つだけお願いがしたい」
「…?」
ケイト「一人で抱え込まないでくれ」
「!」
ケイト「苦しみを一人で抱え込み続ける痛みは、辛さはよくわかってるんだ。
(両膝を抱え込んで泣きじゃくる幼い自分が脳裏によぎる)
だから、さ…私にも背負わせてくれ!」
「!!今まで…そんなことをいう人なんて…」
ケイト「ここにいる!」
「でも、なんで今知り合ったばかりの人に!」
ケイト「苦しい時は辛いだろ?
私にも背負わせろよ」ぽんぽん
「…っ
ぅ…………っぅ」ぽとっ
ぎゅうっ
肩に手を置いてそっと撫でたケイトに対し、その胸元にすがり付いて泣きじゃくる女性に
ケイトはそっと背に左腕を回してから優しく抱き締めて、右手で頭をそっと撫で続けた。
クレハ「では、そろそろ警察に連絡しますね。
井出さん(運転手)も待ってる頃でしょうし」
ケイト「うん、ありがとう」
それから何分経っただろうか…
しばらく泣きじゃくった後、一つの声が小さく響いた。
「ぷるぷる)……誰か、助けてよっ」
ケイト「わかった。助ける!」←大真面目
「!?」←面食らった人
「……ぷっ!」
ケイト「?」
「あんた、バカ?^^
どうすれば助けられるかわかんないのに返事して!くっくっ」笑震
ケイト「助けると言ったら助ける!
第一、助けられなかった側の気持ちはよくわかるからな。放っておけない!」きっぱり
「ぽかーん)……」
開いた口が塞がらないようですね。今に始まったことではありませんが。
「くすっ)そう…
あんたみたいな人と、もっと早くに会えたら良かったのにね…」ぽつり
ケイト「今からでも変われるさ。
拒絶してくる人、否定してくる人は決していなくはならない。生きている限り、必ずいる。
でもさ…一歩踏み出せば、勇気を出せば、景色は変わるよ!^^」
「!」
ケイト「これ、私の人生の学び!b」ウィンク
「……(微笑)
わかったわ。努力してみる」ぎゅうっ
そう穏やかな笑みを浮かべながら、そっと寄り添った。
それから11時を回った頃、警察に事情聴取を受けることを伝え、服装を整えるよう促しました。