第40章 窮地
ケイト「私の場合は、ある人の言葉がきっかけだったんだ。
「確かにあなたは人を殺した。でも、そうしなければ助からなかった命があった。
あの時そうしなければ…大切な人に、会えないまま死んでいく人達が大勢にまで増えることになるはずだった。
そこを忘れないで欲しい」
そんな感じの言葉を言われたんだ。
確かに失った命はある。自分の手で、その行動がきっかけで失われたものだ。
それでも、そのお陰で助けられた命があった。
それを忘れるなって、そこともちゃんと向き合えって、大切な人に教えてもらった」ちらっ
クレハ「//」ぷいっ(腕組)←縛り終えた
私に話を振る人がいますか、ここで!//;
「…」俯
ケイト「お前の話を聞く限り、確かに一つの命を奪った。そこは変わらないだろう。
でもそうしなければ…もっとたくさんの命が失われる危険があった。
その行動は一つの命を奪っただけじゃない。
妊婦さんの…お腹の子の人生も、母親としての人生も守ったんだ。
そこにいた人達の命を守った。その点は変わらないと、私は思う。
子供だったお前に背負わせることになったのは、周囲の大人が動かなかったからだろう。
でも、それで殺した行為を無かったらと考えることは、お前の行動で救われた命まで蔑ろにすることだ」
「!!」
ケイト「殺したということは変わらない。
それでもそれごと背負って、その人の分まで生きなければいけない」
「それは…どういう意味で?」ごくっ
ケイト「…お前も、『大切な命』だから」
「!!」
その深みある一言は、確かに女性の心に響いたようで目を丸くしていました。
ケイト「私が強いと見えるのは、きっとクレハがいたからだ。
支えてくれる人がいた。崩れ落ちそうな時に助けてくれる人がいた。
だからこそ、自分が自分らしくいられるように頑張れた。
それが、気付かない内に誰かを護っていた。救われた命があった。
だから今、私は堂々と行動できる!
たまに悩んだりもするけどね^^;
でもそれは…誰もが直面することなんだ。
だから…きつい時は無理せずに、誰かに頼ればいい。
そして回復したら、勇気を持って踏み出していけばいい。
お前が変われば、世界はもっと広がって見えるようになる。
先輩からの助言だ^^」にっこり