第40章 窮地
ケイト「フルダイブしてる時は聞こえないからな~;
リアルに戻った時、ああこんな感じだったって驚いたよ。久しぶりの感覚に」
「へえ」
ケイト「あ、ごめん。本題からずれた;」
「?何を言いたかったの?」
ケイト「いや、霊感については教えられたけど、SAOサバイバーとして何をやってたかってことについては話してなかったから」
そう姿勢を正しながら言ってから、私はラフィンコフィンの件について語り出した。
ケイト「SAOには《ラフィンコフィン》というレッドギルド、人を殺すことを快楽とする人達がいた。
脅されて殺しをしていた人達のみ除いて、私達が全員殺した。
1人につき4人ずつで取り囲んで、誰が決定打になったかわからないようにして」
「!!殺したって…」
ケイト「ああ…現実でも死んだ」
「…それって…罪には問われなかったの?」
ケイト「うん。本来なら殺人の罪に問われるだろう。
でも正当防衛として処理された。
そのまま放置していればもっとたくさんの人達を殺すことが証明された。
過去の映像が残っててさ、遺族の人達を中心に見せる前に警察のお偉いさん方が確認してたんだ。
殺そうとされた後で、4人で囲んで誰が殺したかわからないようにして殺した。死刑執行と同じようにして。
ただ、その快楽殺人者もまた殺そうとしてくるから…
その部分も含めて、正当防衛として認知されることになったんだ。
他の人達の弁明やら感謝に伴う署名も関わってきてるらしい」←1305ページ参照
「…」
そう話し続ける中、女性はずっと黙って聴いてくれていた。
ケイト「でもやっぱりさ…殺した後はすっごい気分が悪かった。
食欲もめっきり減って、悪夢を見て…死にたいとさえ思ったよ。
罪に問われなかったからといって、それは…消えてなくならない。
どんだけクズでも、殺しを快楽として続ける人にでも、命は同価値なんだ。
帰りを待ってる家族もいる。友達もいる。
大切な人が…必ずいる。
だから余計…苦しくて、どうしようもなくて…忘れたくなる時があった。
それでも忘れたくても忘れられなかった。
命は一つしかないから。殺人快楽者だからって、無下にしていいものでもないから」遠い目&俯
「それを…あなたは、どうやって乗り越えたの?」