第39章 親になる前に
2025年11月10日(次の日)、PM0:30
在宅にて今日の仕事を終え、休憩に入っていました。
7月20日に結婚式を挙げた後、「二人きりで生活がしたい」という旨をお爺様に伝えた所
「二人暮らしに昔の家を使ってもよい」と返事が返ってきました。
結果、それからは二人きりで生活をするようになっていました。
ケイト「ぼー)母親の役割って何だろう?」遠い目
クレハ「目を見開く)?;…なんですか?藪から棒に」きょとん
ケイト「アスナとアスナのお母さんと話してて思ったんだ。
私達が親になった時、どうしたら子供はのびのびと自分の人生を…幸せに過ごせていけるかなって」むくっ
ソファーに横になっていたケイトは徐に起き上がりながら呟いた。
昨日の話で、想う所があったのかもしれませんね。
クレハ「…そうですね」
ケイト「どれだけお金があっても権力があっても、結局はただの人でしょ?
その人の地位だって、その人が自分で掴んだものじゃない。
その先代の人が努力して築き上げたものだ。
その地位を語って、自分は偉いんだから何やってもいいって好き勝手に動く人にはなって欲しくない。
それこそ…私の父親と同じ末路を辿ってしまうと思うから。
私が子供の為にできることって、一体何なんだろう」
クレハ「そのように、自分の人生における経験をもとに伝えることでしょうね。
いじめっ子達の件でもあったでしょう?
それでもあなたは訴えないと決めた。
子にされる側の痛みを教え、してはいけない理由を示す為のそれとする。
日記を燃やさなかったのも、その当時の気持ちの証明なのでしょう?」
ケイト「…うん」
クレハ「なら、それほど深く悩んだり考えたりする必要はありません。
道を決めるのはその「人」です。どのように進んでいくか、どのように在りたいか、それは本人にしか見つけられない。
人に勧められて進んでいった所で、それは所詮違う人の言いなりになったに過ぎない。
その時点で、その人の人生ではなく他人の人生となってしまう。
だから、私は子にこう進めと勧めるつもりはありません。
今までの日々を過ごした上で何を為したいか、どう在りたいか…
何がその人にとっての幸せなのか、それらを見つける為の手助けをするもの。
それこそが母親としての役割なのだと私は思います」微笑