第39章 親になる前に
ケイト「一人きりでも立ち向かっていかなきゃいけない。それはいずれあるのは知ってる。
でも…そりゃ成長の為には自ら壁になることだって必要だろうけど…」
どうして、この子は知っているの?
家を捨てて飛び出したことを。
なれっこないといわれたことも。辛いだろうからやめなさいと諭されたことも…
そうでなければ、こんな言葉が出てくるはずがない!
ケイト「私は…学校が一番安いものだった。あんな環境だったから、生まれてくる人があんなだったから。
父親に殺されかけて、強要されて、結果…高卒で終わった。
人生の中で、10代という時間は、その年の時間は決して返ってこないだろう。
それでも…その捕らわれていた時間の中でも、あいつは自分の努力で勝ち取った。
自分のやりたい道へ進む為に、その選択肢を増やす為に偏差値を伸ばした。
まだはっきりとは決まってなくとも、その選択を増やす為に。あなたに…失望させない為に!」
アスナ母「!!…」ぷるぷる
何よ…これ…何で、涙が…勝手に!
アスナ母「ぎり!)何で…誰が、いつそんな所まで語って!」
ケイト「語られてなんていません…(つー)
誰かに聞いて、知ったわけでもありません」
何で…あなたまで泣いてるのよ
どこまで…私という人間を知っているというの!
ケイト「ただ…アスナは、自分のしてきた努力を見て欲しいんですよ。
確かに私達は2年デスゲームに捕らわれた。それは決して変えられないことです。
2年を取り戻せと言われても、それは不可能なんです。
その2年間をなかったことにして他の生徒と同じ地点まで引きずってでも戻そうとしたって、リセットなんて出来ない。
でも…ここまで偏差値を上げれたのは、アスナ自身の努力があったからこそです」
アスナ母「でもあなたは偏差値が78だったでしょう!?やりようはいくらでも
ケイト「ふるふる)いいえ」
アスナ母「…?どういうこと?何が言いたいの!
はっきり言いなさい!!」