第6章 ギルド
そのフィールドボスへ使ったものを、25層ボスへ向けて繰り出した直後
25層ボスはコンマ1秒さえも耐えられるはずもなく、一瞬でポリゴン片となって消えていった。
その中…
ケイト君はどこか哀愁漂う顔で、静かに俯いていた。
『Congratulations!!』
そう空中で表示される言葉とは裏腹に、彼女は沈んだ表情でいた。
これは余談だが、チェーンソーは何らかの物体を切断する際にエンジンの回転数を最大まで高めた状態を指す最高回転数として毎分12500回から14700回の物が一般的な製品として販売されている。
つまり1秒につき約208回、ケイト君の場合は5秒で250回転=1秒につき50回
チェーンソーには劣るが、本人はこれからもAGIを上げていくと言っているのだから最終的にはそれ以上の域にまで辿り着くだろう。
興奮冷めやらぬ歓声が鳴り響く中、私はそう予想していた。
思わず起こしたフラッシュバックに沈むのは解るが…
『大丈夫だろうか?』
その思いばかりが私の胸にあり、離れることは無かった。
グレイク「…マスター?」
ケイト「…
!(ピクッ!)
ん?どうした?」汗
グレイク「…辛いなら、ちゃんと言って下さいね」
ケイト「え?」
グレイク「ちゃんと、聞きますから」微笑
ケイト「!
(そうだよな…過去に振り回されてる場合じゃない。
それ以前に、大事な存在が常に傍にいてくれる)
…ありがとう^^//」
緑色の髪をした青年に、ケイト君は嬉しそうに笑った。