第39章 親になる前に
私の中では、今までに見たことがないような…そんな異質なもののようにさえ感じた。
ずんずん
アスナ母「ちょっと!何…」
すっ(覗き込む)
近い!
ケイト「綺麗ですね…」にっこり
アスナ母「…え?//」
ケイト「赤紫ですよ、オーラ」
アスナ母「…何でいきなりその話をするの?」
ケイト「霊感の件ですが、どこまで言えば信頼しますか?」
アスナ母「は?信頼するも何も、できるわけがないでしょう。そんな眉唾物、こちらから願い下げだわ」
ケイト「なら、信頼出来るその時まで口を挟まないで下さいね?
私も止めないので。
大変胸糞悪く感じるような話になるでしょうが、ただの独り言として聞き流して下さい^^」
アスナ母「ふっ。できるものならやってみれば?」
実際、私は信じるつもりもなかった。
学年時代嘘付きと罵られていたようだけど、そのこともあってのことかもしれないと思ったから。
でも…それが違うなんて、当時には何の確証もなかった。
結局は…その思い込みはただの幻影だったのかもしれない。
ケイトのそれはとても若輩者で身につくようなものではなく、それから吐き出された言葉が全てを信じさせた。
ケイト「そりゃ学歴の件で苦労したかもしれません。父母が農家だからと好き勝手にほざく輩によって大変だったでしょう。
でも、その人となりを決めるのはそれじゃない。自分の進みたい道に一時は反発されたかもしれない。
それでも帰るべき場所としてそこを護ることを貫いた」
アスナ母「!!」
ケイト「子供は、親としての出来を比べる為の『指標』じゃない」
アスナ母「あなた、何を言っt
ケイト「ましてや道具でもない!
人には意思がある。『自分』という名の人格がある。
だから子は親にはなれないし、誰かと同じにもなれない!
そしてそれは親もまた同じことを言える。子供はいずれ大人になる。
親が死んだ時に自分で進めなければ路頭に迷うだろう。
いずれは自分で決め、自分という名の人生を進まねばいけなくなる!
その時になって後悔するかしないか、あの時になってからこうしておけばよかったと悩むこともあるだろう」