第39章 親になる前に
アスナ母「なるほどね…つまり、SAOサバイバーは殺し合いはしていないってこと?」
ケイト「はい。殺し合い、つまり傷付けただけでカーソルというプレイヤー一人一人についているものがオレンジになり、街に入れなくなります。
街は圏内と呼ばれており、セーフティエリア、HPが減らず状態異常にもならない場所なので」
アスナ母「言葉を返すようで悪いけれど…そこにオレンジはいないとして、詐欺や奪取はあるんでしょう?」
ケイト「ええ、もちろん。
それに対する対策として白の鳳凰が責任を持って教えています。
それも含めての自警団なので」
アスナ母「なるほど…だからこんなに生き生きとするようになったのね。
ただでさえ2年も損したのに」←苛立ったような声
アスナ「おかあs
ケイト「いえいえ。そこはいい所を捉えましょうよ」
アスナ母「?…どこにいい所があるというの?」←怪訝な顔
ケイト「はっきり言いますと…2年という月日の間に同級生はただ普通に2年上へあがっているでしょう。
でも、その2年のお陰で他の方では得られないような経験もありました。
社会の縮図とも言えるような場所で、様々な経験を経て、普通の人ではできないようなものも成し遂げた。
人の命を生かし、共に生き、共に帰ってきた。この世界に!
それは掛け替えのない経験だと、私は思っています」
アスナ母「!…でも、2年の遅れは致命的よね?」
ケイト「お言葉ですが…SAOではアスナと同年代で死んでいる人もいますよ?」
『!!え?』
ケイト「そういえばアスナにも言ってなかったっけ^^;
ショックを受けたらいけないって黙ってたんだ。ごめんね」
アスナ「う、ううん…気にしないで。
そっか…自殺した人の中にいたのかな」
ケイト「うん、デスゲームに変わって絶望した人達だったよ。
生き残ったのは9515人、485名が死んだ」