第38章 月例大会
アスナ「生きることの大切さを教えてもらったよね。
ここでも現実でも、「自分」という存在があることは変わらない。
ありのままに生き、それを通す為に協力してくれている周囲と折り合いを付けつつ…共に未来に、前に進んでいく。
それが本当の意味で「生きる」ということだって…ケイトちゃんの姿勢から私は学んだの」
キリト「そうだな」しみじみ
クライン「始まる50秒前だぞ!?;」
リズベット/シリカ『しー、邪魔しちゃダメ!/ですよ!』
直葉「間に合った!!;」ぜーぜー
その後、キリト君には打ち明けた。
ケイトちゃんに出会ってから思っていたことを。
「周りの人達みんなを笑顔にできるような、そんな生き方をしたい。
大切な人の隣に立って、ずっと支えていけるような人になりたい」って。
ケイトちゃんに会えたから、私はそう思えたの。
出会った頃の私は余裕がなくって、早く攻略を終わらせて、帰るんだって…そればかりだった。
でも…助けたいって笑顔を向けられて、おいしい料理を振る舞われて…
たくさんの人が笑顔になった。余裕をなくしていた人達まで、みんな…嬉しそうにしてた。
何より…楽しそうだった。SAOの時の味覚エンジンなんて粗末なものだったから余計に。
現実の料理なんて…帰らない限り無理だと思ってた。
でも…ケイトちゃんは言ってくれた。
ケイト『ここと現実はそう変わらない。
死ねば死ぬし、楽しいことだってやろうと思えばいつだってできる。
自分という存在を感じ、ありのままに生き、望むことを迷惑をかけない範囲でする。
それで協力が必要になるなら、目の届く範囲なら手伝うからいつでも言ってくれ^^
絶対、助けに行くから(微笑』ぽんっ
そう肩に手を置いてくれた時、目の前の道が開けたような気がしたの。
進む道は一つだけじゃない。
帰るまでの間に人が多くいなければ、支え合わなければ余計に遅くなるって。
たくさんの可能性と、たくさんの道が一瞬で垣間見えるようになった。
ケイトちゃんの境遇を聞いてからは、余計にその想いが強くなった。