• テキストサイズ

白い流星【ソードアート・オンライン】

第6章 ギルド





「ぐるおおおおおお」

ボスがそううめく中、ケイト君の大声が響いた。



ケイト「危なかったらすぐ逃げろ!逃げることを恐れるな!!


命は、失えば二度と返っては来ない!!

生きてさえいればやり直せる!!何度だってできる!!!


だが死ねば!!帰ることさえもできない!!!」

ぎゅううううっ

ぽとっ


拳を強く握りしめながら、涙が零れ落ちていった。

その瞬間、脳裏へ伝わってきた。



ケイト君が言うには、霊同士で意思を交信している際に使っていたそれを

無意識の内に生きている人間に使ったことで、思ったことや感情が伝わってしまったのだろうとのことだ。


歌の時も無意識ながらに使っていて、泣いている人も出たほどだ。

戦闘の際には、攻撃される前に
そうしようとされた場所に、攻撃が当たるはずの5秒前に痛覚として身体に現れるらしい。



脳裏によぎった光景があった。

帰ってきた時に見えた光景が…


ケイト君の家の玄関らしき場所が見える。



リストラされた父によって殺された、横たわる姉と母の姿が…

必死に逃げようと玄関まで這ってきたのか、血の跡がこびりついたままだった。


買い物を頼まれて、一人で行ってきた。

その帰りまでに行われていた。



それから…

昔の家に、住めなくなってしまった。

違う場所に行くしかなかった。父に会いたくなかった。


殺されかけた光景が、未だに心を締め付ける。

ナイフで刺された傷も、心の痛みも、
どちらも未だに焼き付いたように、痛みが激しさを増していく。


思い出すだけで、その感情は膨れ上がっていく――



ケイト「願わくば…誰も死なせたくない!!

誰も死なせずに、生きて!一緒に帰りたい!!)


だから…生きろおおおお!!!!

行くぞ!!お前らああ!!!!」
『おおおおおお!!!!!』


その瞬間

ケイト君と、白の鳳凰の攻略組8名が、共にボスを囲いながら襲いだした。


/ 1616ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp