第37章 テイマーズカードドラフト
クレハ「…あなたがあなたをどう思うかは勝手です。
それまでの環境を思えば、その想いも理解できます。
でも、忘れていませんよね?
そうは思わない人が、そのような行いをする人間が今は近くにいないことを。
あなたの隣にわざわざ立って傷付けようとする人など、今はいません。
私が二度と近付かせません!」ぐいっ!!
思わずその言葉を聞いて叩いた後、そう叫びながら両肩を掴んだ。
未だ起き上がれず仰向けに倒れている所に馬乗りになりながら…
クレハ「それほどまでに傷付き続けていた心を、さらに傷付けて喜ぶような輩になどには特に!!
だから…私を無視しないで」ぎゅうっ
そう語りながら、私はケイトを覆い被さるように抱き締めた。
きっと、あの頭の殴られる感覚で…父親や養父からされ続けてきた虐待まがいの行為を思い出してしまったのかもしれない。
そう察したら、居てもたってもいられなくなったから。
クレハ「護られたことなど、そうはないでしょう。
24年間の中で、一度でも護られたことなど…確かになかったでしょう。
いじめを受けていたというだけで差別され、いじめられていたことから噂を好きにばらまき続けられ、それであらぬ疑いや差別まで受け続けてきたのは知ってます。
だから人に差別をしないことも、その理由もちゃんと理解しています!
あなたという人間が!その本質がどれほど温かいのかも!!」涙目&震
ケイト「!!」←驚きと共に目を見開く
クレハ「私はあなたに救われた。
優しくされただけじゃない。その人の本質に触れて、純粋に接されて…それがとても嬉しかった。
そんな風に素直に、真っ直ぐに接してくれる人など…心にある考えまで全て語る人なんて、いなかったから。
利用しようとする人しか…私のすぐ傍にはいなかった。
だから!
嘘でも…そうされる為に産まれたなど、言わないでっ!!;
ッ…ぅうっ」涙&震
ケイト「……うん、約束する(微笑)
もう言わない(なでなで)
ありがとう」ぎゅうっ
胸に縋りつきながら泣き出す中、背中に腕を回されて抱き締められた。
それから立てるようになるまでの数分を、その体勢のまま過ごすことになりました。
その間もレベルは上がり続ける…;
レン「殲滅してきました!」
そう叫びながら帰ってくるまで、同じく残り数分でした。