第37章 テイマーズカードドラフト
クレハ「あの時だって…自分は大丈夫だと伝える為にあえて元気な体を装っていたのでしょう?
考えないようにしていれば、そうして笑っていれば大丈夫だと…
心配されないようにと、迷惑を少しでもかけまいと…気を張り続けて。
そんなことをし続けていれば、心が耐え切れず押し潰される一方です。
大体言わなければ人は解らないというのに、何故こうもちゃんと話そうとしないんですか!(ぷりぷり)
言葉というのは、互いのつもりやそう思うに至った経緯や考え等を理解し合う為にあるのですよ?!」
『全く、あなたという人は』と溜息を零しながら軽く怒ると
ケイトは目も当てられないぐらいにしょげるだけでなく土下座までして謝ってきました。
謝って欲しいから言ったわけではないのですが;
クレハ「謝るよりも…せめて、私の前でくらい感情任せでいなさい。
辛いのなら辛いと言って泣けばいい。哀しいのなら何も言わずに、いきなり私へ縋りついて泣き喚いたっていい。
そんなこともできないあなただから…そんな激情の中でも、人の気持ちを考えて踏みとどまれるあなただから…私は支えたいと思った。護りたかった。
その気持ちを無下にしないで下さい。なかったもののように扱わないで。
たとえ、20年そうであったとしても…
私は、そのような方とは違います。何よりそんなあなたを一人放っておけません」
ケイト「…ありがとう…くれ、は…ありがとっ;」ぐすっ
クレハ「…もう1か月前でしょうか。
9月下旬に新アインクラッド20層までアップデートされ、10層ボスをクリアした後
11層にスリーピングナイツを誘い、料理を振る舞って笑顔に包まれた時…とても楽しかった…(微笑)
その想い出が逆にあなたを傷付けてしまったとしても
死んだ方にとっても今生きている方にとっても大切な想い出です。
その想いが逆にあなたを今も苦しませているでしょう。
それでも、あの時は楽しかったと死んだ後であの世で語らい合えるぐらいにならないと…あの方達は笑って見守ってくれはしませんよ?」にこっ
ケイト「…うん。頑張る。
頑張って…生きて、笑い合えるよう、頑張る!」拳握
うまく言葉にできないはずのケイトが、必死に考えて出した答え…
それは言葉としてはあまりに拙いものだった。
それでも…そう想えたことが嬉しくもあった。