第37章 テイマーズカードドラフト
ケイト「……うん。…ごめんね、落ち込んで」
クレハ「落ち込むことは悪ではありません。
正確に言えば、そこで悔いてばかりでは何も残らないでしょう。
助かる命でさえ、助けられなくなってしまうのですから」
ケイト「…そうだね。
後悔と反省って…似てるようで全然違う。
後悔はずっとその場で足踏みして後退していってるだけ。
反省は…その悔いるべき点を捉え、失敗ごと背負いながらも生かそうと試みること。
どちらかと言ったら、やるべきことは後悔じゃなくて反省なのかもしれない。
でも…親しくしてもらったからこそ、こういった悔いる気持ちが消えてくれないんだよなあ」俯
俯いて暗い表情を浮かべるケイトに…
お婆様を失って沈んでいたお爺様と重なった。
あの時…私は何と言っていただろう。
どうやって…お爺様を立ち直らせる手助けをしていただろう。
そんな思いがよぎる中、私の身体は自然と動いていて
両膝を抱えるケイトの横へ座り、右手でその頭を撫でていた。
なでなで
クレハ「…同じですとも。私も、あなたも。
それでも、残されたものは生きていかねばならない。
その死んでいったものの為にも、その命を背負い次へと紡がねばならない。
どれほどの絶望に打ちひしがれようとも、私はあなたという希望に会えた。未来の可能性を見いだせた。
それと同じです。
自分にとって最大限できることを行い、決して自らを壊そうとせずに努力する。
その大切さを、私はあなたから教わりました。
自らの身を捧げてでも護ろうとしたその姿勢から。その揺るがぬ意志から。
でも、護れなかった命も確かにあった。それを悔いる気持ちもわかります。
それでも、今すべきことはそこではない。
失ったものに目を向けることは確かに大切です。
でも、そればかりに…その失った感情ばかりに目を向けず、目の前にいる命を見て下さい」そっ
両頬を両手で挟み、私を見るように促すと
その目は真っ直ぐとこちらを見てくれた。私の両目を…
そこへ向けて、私は言い放った。
クレハ「今あなたがすべきことは何ですか?
あなたが護りたいと願う命は何ですか?
まだ…全てがついえたわけではありません。
あなたが、真に願うことは何ですか?」
何よりも向き合わねばならないことを――