第6章 ギルド
さて、25階層の時に起こった事件について説明しよう。
現在の1つ下の第25層は、全100層のクォーターポイントであることから、難易度が恐ろしく高く設定されていた。
フィールドに湧くモンスターからして強力で、迷宮区に辿り着く前に死者が出そうなほどだった。
おまけにフィールドボスは、24層のフロアボスが可愛く思えるほどだった。
そんな状況だったので、当然、フロアボスが強敵であることは誰しも予想していたので、万全の準備、対策を練って挑もうとしていた。
だが4月17日にキバオウ君が受け取ったメッセージ、そこに書かれてあった偽情報が、この事件の一端となる。
それを聞かされてすぐにでも行こうとせっついてくるキバオウ君に対し
ディアベル君は、『情報に踊らされるな』と戒めた。
そしてケイト君もまた
『その情報が正しいとは限らない。絶対に間違っていないことなどないように、確実なものはない。特に、未来の情報なんてものはね。
いつどんな変化が起こるかがわからない。目の前で急に起こる変化に、どれだけ臨機応変に立ち回れるか。それが生死を分ける。
油断するな。慢心するな。それが正しいと思って取り組んだ時、間違っていれば死ぬことにもなりかねない』
そう教えを説いた。
だが、キバオウ君は早い所終わらせれば文句はない。
結果さえ出せば、それでいいだろうと先走っていってしまった。
幸い、ケイト君のギルド《白の鳳凰》の警備員に見られたことで
すぐにケイト君に知らされ、そして彼女は即座に攻略組の人達へ連絡を回した。