第36章 質問コーナー
右手で上から下へ抜く場合、鞘に手をかけて順手で行うのが正しいが、その場合だと身体をどうしても左下へと沈めなければ綺麗に軌道を描けない。
その場合、右でまた同じ攻撃が来た場合は非常にやりにくくなってしまう。
その為、上半身と下半身の前後左右バランスは決して動かさないままで行うのが通例。
どちらかに偏ってしまえば、次の動きを示す際に滞りとなる部分が増えてしまうからでもある。
もしあるとしても地面が近いので体勢も身体の位置も変えやすく、それをも繋げることに成功しました。
動きの一例(5発):右手で順手のまま上へ斬り上げ、
左手で逆手のまま剣先で真左への突きで斬り、
右手で回転させつつ逆手に持ち替えた瞬間に少ししゃがんで地面へ突き刺すような軌道で抜くことで右足を護り(真っ二つにされた魔法弾は両足の間と右足の右へ飛んでいった)、
左手で順手に持ち替え右へ横薙ぎに払いつつ足元の位置を右回転させてずらしつつ(背後に魔法弾が迫っている)、
その間に右手で順手に持ち替えてその横薙ぎの右回転の勢いを利用しながら右上へと斜めに斬り上げつつ立ち上がる。
秒速100発で襲い来る魔法でさえも全て斬り刻むことに成功した。
ただし、相手から見える表面積を減らした状態にしてかわしながらでもある。
ちなみにその魔法弾は、練習と称して協力してもらった人達によるものです。
現実でも修業すればこの動きが自然とできるようになるというのが、非常に心強いです。
ケイトもまたリアルでできるようですが、私はそれに比べると多少見劣りするので。
《外気功・潜空》で常に周囲の気配を探りつつ
悪意のあるそれだけでなく、周囲の地形や状況の変化なども感じ取れるか。
それもまたリアルで試してみた結果、無事に感じ取ることに成功しました。
その実験に付き合って下さった使用人の方々にも礼を言い
ケイトはいつも世話になっているお礼だと意気込みながら
指南役として、その技術を身に付けておくに越したことはないと腕を振るいまくっていました。
結果、その技を通じて「黒いモヤモヤ」という「負の念」の感覚がより『顕著』に感じ取れるようになった上
「怪しい人=害意(敵意)のある人」と、ない人との違いまで見分けれるようになり
それが精確かつ確実だった為、護衛の仕事が大幅に楽になったとのことです。