第35章 結婚式
1941年…その新聞の表記を見て、愕然とするばかりでした。
私は何故か子供になっていて、ケイトの手助け無しでは動けないような怪我を負っていました。
そんな中、お祭りがあったのがふと頭に浮かんだのです。
小さなケイトがいたため、思わず私の胸中を打ち明けてしまいました。
それが問題の発端となってしまうとは思わぬまま…
すると、「私も見たかったんだ!」と意気揚々と満面の笑みで答えるケイトに…
変わらぬ天真爛漫な笑みに、私は嬉しくて…涙を浮かべながら笑みを零すばかりでした。
その後…祭りの会場には何故か武装した外人がおり、車が近付いてきていました。
それに咄嗟に道路にある溝へ私を押し込み、動けないのをいいことに板を押し付けてきました。
真っ暗な闇に覆われ、思わず動こうとする中…
ケイトから「クレハ、お前だけでも生き延びて!!」と声をかけられました。
遠ざかっていく足音に、目を瞑って銃弾が響かないよう両手を握り合わせて祈るばかりでした。
ですがそのような音もないまま…気付けば足音が再び近付いてきました。
そんな中、震えるしか出来ずにいた私はいきなり抱き上げられました。
両目を瞑っていたため、板をどけられたことに気付かないまま…
そして「クレハを助けて!!」と何度も訴えかけるケイトへ
ぱぁんぱぁーん!!!!
二つの銃声が襲った。
その者が言うには、その者から見れば死角で胸元に手を入れたように見えた。
つまり武器を取り出そうとしているように見えたとのことでした。
そんな話など頭に入るわけもなく、必死にケイトを揺する中
抱き上げながら護ろうと胸元へ手繰り寄せ、男性を睨むばかりでした。
そして男は2,3質問をしてきました。
孤児かということ。私達と来る気はないかということ。
「私の養子として来てくれれば彼女も君も助かる」との申し出で、頷く外ありませんでした。