第35章 結婚式
クレハ「それでも…
それでも、私は…それごとあなたを欲した。
共に居たいと思えた存在がいた。
ただ一人の、自分という全てを打ち明けられる人が。
だからこそ、余計に強く思ったのです。
あなたとなら、どのような結果に陥ったとしても…笑って、生きていけると」
ケイト「!」
クレハ「どんなに残酷な結果に陥ろうとも、あなたと共に居られれば…
それだけで、心が救われる。そんな気さえするのです。
馬鹿なことをと一生に付す輩もいるでしょう。
だとしても、それほどこの想いは強く…温かく、心の奥にまで棲み付いてしまった。
私…あなたに会えていなかったら、人とあれ以上の関わりを持とうなどとはしなかったでしょう。
でもそうしていたら…キリトやアスナ、たくさんの気の合う方達とさえ出会うこともなかった。
あなたに出会えて、共に居て、料理に励んで、たくさんのことを共にして…
気付けばあなたに惚れていた。唯一打ち明けられる、たった一人の存在として…
あなたの前では、ただのクレハとして…いられた。
家の名前、家訓、武術、様々なものを背負ってきました。
それでも、外聞や外見などにとらわれず偏見も持たず
それら等一切気にせず、真っ直ぐに見てくれた。
一人の人間として、向かい合ってくれた。
それが私には、とても嬉しかったから…
だからこそ、そのような言葉をぶつけたのです。
たとえ手がどれだけ染まったとしても、私は…あなたを想う心は、決して変わらないから//」涙目&にっこり
左手を胸に手を当てながら、右手でケイトの左手をそっと握り締めた。
その態度で、決して離したくないという意図も伝えたかった。
あなたと出会う前ならば考えつかなかった。
それほどの想いが、この胸を狂おしいほど焦がしていた。
あなたを愛しいと想う心、一途にあなたを求めようとする愛が――