第34章 アメリカ到着
人によって体の筋肉のつき方は異なる。それに応じて得意な攻撃・動き方だって違う。
身体の動かし方一つでも本人にとっては得意でも、人によっては不向きな動かし方だったりもする。
人体の構造上、「右拳による攻撃の中で、左(内)へ向けてならば力が入りやすいが、右(外)へ向けてなら力が入り辛い」等々の、「長所と短所」の把握と熟知。
しかしケイトの場合は武術に伴う動き方まで型に当てはめず、個々によって動きやすい「全身の動かし方」を模索する傾向にある。
その方が非常に効率的だからこそです。
そして硬気功は使おうとする時だけにではなく、必要となる「一瞬」のみに使う。
硬気功に伴う攻撃が当たる一瞬前、常識を超えた恐ろしいスピードで必要箇所のみを
脱力した状態で、丹田と繋げると同時に硬気功へ変化させて素早く払う動作を行う。
それに伴い、内に内在する気は温存されるだけでなく、動かずにいることで外気功にも集中できる。
それに加えて体内に内在する気は全て軟気功に分類されるもので、内気功で気の体内の流れも制御済み。
外気功に変化させるだけでも結構な量のそれを必要とする為、それまでは身体を活性化させるのに使っているのだそうです。
丹田と全身との繋がりを完璧にするのに一役買ったのが、
10年以上に亘る「両目を瞑ってイメージと共に気を制御する技術・凝気法」に伴う「気の制御」の持続的な鍛錬。
何かしながらでもそれを制御できればと頑張ってみた所
全身の気を制御できるようになり、病気にもなりにくくなったそうです。
それも当然。
軟気功は体内の気血の流れを促進させ、陰陽のバランスを整えることで病があればその部位を改善していき、
病がなければ健康を維持能力をさらに促進させることにより長寿を実践する健康法として活用されているものだからこそです。
軟気功を硬気功に変えさえしなければ、その技術が身に付いていなければ基本体内にある気は『軟気功(養生気功)』に分類されます。
硬気功は「自分の身を相手から守る守備能力」と、「相手を倒す攻撃能力を向上させること」を主な目的としている気功術。
外へ向けて効果を示すのが硬気功、内へ向けて効果を示すのが軟気功と考えて下さっていいです。
次に、ケイトの言う内気功と外気功の「一般的な認識の違い」について説明します。