第34章 アメリカ到着
そういった話が終わった後、ようやくホテルにつき、9時5分にディズニーランドへ行く準備が整いました。
ベッドにおいたチップはちゃんと回収されていますね。よかった…
でも、やはりどこか胸のつっかえが…;
爺「どれだけ気に食わなかろうが傷付けていい理由にはならん。
じゃからお主等が痛む必要性など皆無じゃ。自業自得だと思えばよい。
自分で人にやったことをされるんじゃ。
よく言うじゃろ?「人にされて嫌なことはするな」と。
だからそれを心配したり憂う必要などは一切ない。己の起こす行動は全て、自己責任じゃからの。
と言っても、毎日父親から激しいDVや暴力などを受け続けていた環境から
そういった障害が出て、それに伴う不快感ならば
より一層いじめっ子や傍観者への対処も強めなければいけんな」
ケイト「何で!?;」
爺「理由も知らぬ。知ろうともせぬ。それでありながら、そういうことをやりながら、見ていながら、共に決めつけて貶め、笑って過ごしておった。
それらは悪い行いじゃろう。公平に見てもの。
傍観者はただ巻き込まれたくないだけ、己の身可愛さ故よ。
お主が男性が苦手なのは、見ておるだけで伝わってきたわい。
低い声にびくつき、威圧するような音量だとなお怖がり、手を振りかぶられれば即座に身構える。
虐待を受けてきた淳郎、専属医師も同じような症状があった。
わしはの…そういう輩を少しでも減らしたいんじゃ。
心に傷を負い、障害を負い、それを自業自得じゃといじめっ子らや加害者は嘲笑と共に笑っておる。
他人事だから、味わったことがないから、平気でそういうことができる。
それができないほどの刑罰はないか、色々と考えておった。
それでも人格に障害が出ればそれはいじめっ子達と何ら変わらぬ。
そいつらともまた違った、別の刑罰がないか模索し続けておったんじゃ。
そして…ケイトの言葉からやっと見つけ出せた。
礼を言わせて欲しい。ありがとう」ぺこり
そう頭を深々と下げてから、隣の自室へとお爺様は歩いて行った。
悩むことは無駄なのか、被害者が悪いように言われるがそれは本当に正しいのか。
それらの悩みを、鬱憤を、少しとはいえ晴らしてくれそうな予感がした。
それと同時に、そんな心に巣食う「暗雲」の中に…僅かな「晴れ間」を見つけた気がした。