第34章 アメリカ到着
ケイト「そんなこと言われても納得できません!!」くわっ!!
爺「自分に厳し過ぎじゃ」
クレハ「いつものことです;
あの時ありがというと言うのを忘れた。ごめんと言うのを忘れた。
逐一、どうでもいいことまで色々と気にして生きている人ですから;」
爺「ケイトよ。それだけ背負うておるから、余計にこんがらがっておるんじゃろう。
それでは楽しめんぞ?もう9時じゃ」
ケイト「くじら?;」
爺「そう。そのままではせっかくのディズニーも楽しめんぞ?」
ケイト「……でも」
爺「ケイト。主は何に怒っておる?」
ケイト「………人を傷付けても、殺したとしても、全く悩まない、それに何も違和感を感じない心」
爺「何に怒るかは、人によって変わる。
どうでもいい内容から、こだわるからこそ譲れないものまで一様にじゃ。
わしらは殺された経験から、お主はその経験に加え理不尽に傷付けられ続けてきた経験から
余計にその想いが揺るがぬものとなり、逆に己自身を苦しめ続けておる。
そういう時はどうすればよいと思う?」
ケイト「…わかりません!!」きっぱり
爺「そうじゃろう?文句を言った所で相手は変わらぬ。理解もせん。
同じ経験をしておらんのじゃ、その気持ちをわかる方が土台無理。
想像して共感しようにも、やはり経験があるのとないのとでは天と地ほどの差がある。
だから、事件についてはどうしても後手になってしまう。
人それぞれで譲れぬものがある。それが殺しに依存していてその行為をする時が気持ちいいと感じる快楽殺人者だったり、傷付けることに依存する輩だっておる。
皆、それぞれに並々ならぬ事情があったかもしれん。そういった環境だったかもしれん。
それでも、やってはいけないことはやってはいけない。
お主のようにやりたくないと決意を強める輩もいれば、
逆に人に復讐してやると決意を固めてやり返すことで楽しむ輩だっておる。
一人として、同じものなどおらん。気にしていてもしょうがない。
相手は変わらぬし、相手自身が心から変わろうとせぬ限り変わらん」
ケイト「…うん」
クレハ「本当に…そうですね」
私達の与り知らぬ所でも、同じような出来事はある。
きっと、同じような人が無数にいるのでしょう。
その加害者こそがケイトの言う「魂の位」が同じ人なのでしょうが;