第34章 アメリカ到着
爺「人間は誰しもが己の手を汚したくない。そう思うものじゃ。
じゃが、お主等はラフィンコフィンを殺した。
そうでなければ護れぬ命があったから、死ぬ命があったから。
そのことを熟慮した上で、快楽殺人者の輩だけを見定め
それのみを殺すしかないと立ち向かい、死刑クエストに参加して執行した。
しかも、その後で苦しんで泣きじゃくり、死のうとまで思い悩んでおる。
それが正常の反応じゃ。
わしとて最初に殺しを染めたあの時、感謝ばかりされた。咄嗟とは言え、苦しみの時間を減らす為、助ける為じゃった。
しかし、その後でいくら感謝されども、苦しむばかりじゃったよ。
そうされる側の気持ちを理解しているからこそ、父親を殺されているからこそ、殺した仇というものはどうあっても赦しがたいものじゃ。
妻が…リリィが殺された時は特に……それをした後ものうのうと生き永らえると思うと、それだけで耐えられん。
ましてや、それを正しい行為だと抜かし、その命をコケにするような態度、
殺した行為はおろか殺した相手さえも忘れ、平気な面をして、笑って何事もなかったかのように日常を送っておる。
傷付けたくない?殺したくない?
どの面下げて言っとるか!!!!!??」
『どおどお!!;』
爺「…すまん;
そのようなことをやった上で言われても何の説得力もないという意味じゃ。
そういう輩の方が余程「勝手」というものじゃ。
お主の勝手の方が余程可愛いぞ?
己の感情のままに人を殺さぬ。その上傷付けぬよう必死に頑張っておる。
さっきの言葉にも、怒りのままに叫ばぬよう頑張っておったしの。見てて可愛らしかったわ^^
かっかっかっ♪
殺す以外の方法が無く、捕らえるとしてもその後で自由になれば誰かを殺すことは明白。
殺される側の相手の痛みを考え、殺しを己へしてきた父のことを思い出しながらも、
後に殺されるはずであった者・殺された側の気持ち・殺されかけた当時のフラッシュバック、
それらの気持ちを痛み、痛みや苦しみが想起する中で涙を流し、悩みながら殺した。
殺した後も悩み、死のうとまで苦しんでいた。
そういう輩はの、決して「勝手」とは言わん。
わしは思ったことははっきりという派じゃからはっきりと言わせてもらうぞい」
ええ。
いつもはっきりと「愛している」と言ってくれていますよね…;