第33章 アメリカへ
気付けば到着30分前まで寝ており、起きてからの一番の言葉は予想外のものでした。
ケイト「愛だけじゃ、きっと生きていけないって思うんだ」
クレハ「え?」
ケイト「人はね…愛を知らないで育つと愛に餓える。
でも、愛が常にあると、それが当たり前だって感じてしまうんだ。
だから私は…自分にとって不利益な出来事も、利益な出来事も、全部があってこそなんだって思う。
平和というのは、愛があって成り立つものじゃない。
それだけで成り立つんなら、とっくに戦争なんかしてないよ」
クレハ「…そうですね。ならばあなたの考えは一体?」
ケイト「私はね…言葉の伝え方や受け取り方から食い違いを生じて、早とちりし合って、互いを決めつけ合って、喧嘩に発展して戦争が怒るんだって思ってる。
だから…相手を理解しようとする態度が、一番必要になるんじゃないかなって思ったんだ。
santoryujinさんが回答者さんの考えを読み取れず「憤り」を感じたように、ahjiqtrludhrさんのように言葉だけを見るんじゃなくて「相手の意図を読み取る力」…
それこそが、人生において一番必要かつ重要なんだって…そう思ったんだ」
クレハ「なるほど。
言葉から互いの意図を読み取る際には、人によって形が変わって伝わることもある。
逆に例の回答者さんの言葉だけでは
santoryujinさんやtke3320さん等の周囲には意図が伝わらないまま、「憤り」を生むこともあるということですね。
ahjiqtrludhrさんから指摘されるまで、私だって気付きませんでしたし」
ケイト「うん。あの力こそが、各国が結び合うのに必要なんだって思う。
言葉だけを見て決めつけず、言葉や相手の表現にとらえられず
意図を読み取って、理解して、折り合いをつけて、乗り越えて…
そういった力こそが、一番重要なんだよ。人生において」
クレハ「…なるほど。
確かに、それこそ人付き合いにおいて重要となってくるものですね」
ケイト「諍いも多いし、同じ人なんていない。
さっきの言ってたように、誰もが受け取り方も感じ方も全部違う。
本当の意味で分かり合うには、それを伝え合うだけじゃなくって
目に見えるそれらにとらわれず、それを読み取ろうとすること。
理解しようとする力こそ、大切なんだ」
その結論に、私は頷いた。