第33章 アメリカへ
互いに強く抱き締め合う中、ケイトの諸事情を知る方々が次々に泣き叫び出しました。
シリカ「わああああああああああああ;;;」
最初にシリカが大声で泣き叫び出し、それを皮切りに次々ぼろぼろ泣きながら
抱き締め合う私とケイトを囲み、抱き締めてきました。
「辛かったよね;」等という声がかけられる中、私は…
クレハ「不思議…あなたといると、心が軽くなる。
そうやって今まで、自分を責めて生きてきたのですね…
ケイト…」
ケイト「クレハ…」
クレハ「その声はいつも、最初に感じたように…どこか優しく、穏やかで…心から安心させてくれた(微笑)
ケイト…心から愛しい、最愛の…人生で初めての友達、そして理解者。
あなたと過ごした日々はどれも…幸せでいっぱいだった。
その温もりが、真っ直ぐにぶつけられた優しさが、
どんなに闇に等しい痛みや苦しみだって、全てまとめて包み込んでくれた。
だから不思議と…あなたと過ごすだけで、その痛みも苦しみも…
全て、幸せだと感じるぐらいに思えてしまった。
思わせられた。
あなたに出会うため、共に乗り越えるため、支え合うため…
その為に今があるのだと、過去があるのだと…深く、思い知らされた。
過去なんてどうだっていい、先入観も持たなくていい。
目の前の人と向き合って決めて行く。
そういう毅然とした態度を向けられて…
人格を、本質と向き合ってくれて…とても、嬉しかった。
私にとっては…初めてのことだったからっ(涙目)
知ってからも、私に対する態度は変わらなかった。
変わらず、一緒に居たいと言ってくれた。
目に見える情報について教えても、自己の利益のため等と目を曇らせなかった。
光らせることもなく、それに固執するわけでもなく…
それよりも、自分を救ってくれた、取り戻させてくれたと
そんな目に見えるものよりも、私という存在を見てくれた。
私の存在の方が大きいのだとまで、言ってくれたっ
全財産の金額を知ってもなお、それに溺れず、私を見て、心から愛してくれた。
一切曇りがない眼を向けられて…真っ直ぐに愛を向けられて…
そんなこと、初めてでっ…ただ嬉しかった。
嬉しくて、仕方がなかった。
だから…ありがとうっございますっ」涙
声を詰まらせながらケイトにだけ聞こえるよう耳元へ囁いた。