第5章 開拓者
~おまけ・続~
非常に原始的な作りだが、それは仕方ない。
もともとSAOは剣の世界で、銃は作れない。
だが、そこはケイトらしい方法で作られていった。
ケイトは片手武器作製を駆使して、金属から「金属板」と「ワイヤー」を作る。
板は鈍器、ワイヤーは鞭という分類だったらしい。
その当時は武器強化を身に付けたばかりの頃で、その板とワイヤーを全て限界まで強化し切ってから
先程のいった『大砲』になるよう組み合わせたとのことだ。
ただし、イメージが精巧でないと組み合わさらない上に
その分の金属が無駄になるため、非常に大変だったらしい。
(その当時、《武器製作神》による分解というものも無かったから)
無論、それは装備品としては認識されなかった。
一度ストレージに戻したこともあったそうだが、道具という認識へと変わっていた。
装備は出来ない、だが持つことはできた。
ならば操作自体はできるはずだと、それを応用することに決めたらしい。
操作ができることへの検証についてだが
本人は道具と認識されているロープを使って、木にひっかけてターザンのようにしたり、鞭のように使ってモンスターにダメージを与えて倒すこともできた。
前に小石を拾って投げれたのと同じように、操作自体はできると考えたらしい。
実際に武器として装備しなくても、使うこと自体はできたとのことだ。
そして仕上げに、耐久値を見ると…無限大になっていたらしい。
互いに負荷を補い合うよう設計したことから、各々の耐久値が掛け合わさった『イレギュラー道具』となったらしい。
板一つの耐久値、ワイヤー一つの耐久値、
その大砲になるまでの板とワイヤーの数はあまりに多く、構造も非常に複雑で緻密なわけで…
だからこそなのだろうと説明された。
キリト「今も使えるんじゃないのか?空気砲とか」
ケイト「いや、でもあれ重いし;
それに空気の方が負荷が強過ぎて、メンテしないといけなくなるから;
ほら、水だといくらでも圧縮できるけれど
空気の方だと限界があって、それ以上無理にやると壊れちゃう」しょぼん
一度壊したことがあるらしく、あの時はこの世の終わりかと思ったそうだ;
それから、もう使わないならいっそとプールの所に設置したらしい。
二度と取り外せないよう、土台に合成を用いて。