第5章 開拓者
~おまけ・終~
後に、その大砲は『システム外武器』ということで有名になった。
持ち去ろうとしたり、取り外そうと攻撃すると
建物と合成していることで、既に建物という認識があるためか…
破壊不能オブジェクトがでるらしい。
ちなみに、建物のような物体に行った場合は「Immortal Object」と表示され保護される。
破壊自体が出来なくなるわけだ。
とにもかくにも
うまいことシステムの穴をついて作ったそれは、『伝説』と謳われた。
おまけに使用が今も出来ているのが凄い。
当時、4層ボスに対しての活躍を上げるとすれば…
ボスをノックバックさせまくって
周囲にいる俺達が寄ってたかってスキル連発できるよう、徹底的に補助してくれたものだったわけで
おまけに、一発につきHPバー1本の1/4というダメージまで与えており、常にヘイトが稼げるほどで
早い話が、スキル一発分の威力だった。
そういった、思い入れのある品だけに残念に思っていたが
《武器製作神》という装備スキルを手に入れた今では、いつでも複製できるようになったそうだ。
空気砲を完成させて、後衛の人へ与えるつもりらしい。
ただでさえ投擲の武器にノックバックを付与するぐらい凄く
シングルシュートのスキル一発の威力を倍にできているのだから、それだけで十分だとは思うのだが…
本人はまだまだ満足していないようだ。
ヒースクリフ「そんな方法が…」
滅多なことでは驚かないヒースクリフが驚愕のあまり
開いた口が塞がらないようになっていたのが、やけに印象に残った。
他の周囲は驚いてから喜んでいたが、彼だけは違っていたから余計だ。
こうして俺達は、死人0のままボス戦を駆け上がっていった。