第32章 新ALO
最初のきっかけは、《スリーピング・ナイツ》のメンバーを紹介してもらい
修業を付けてもらえるようユウキから頼まれ、実行に移した事です。
その内の一人が半月以上もログインしないという状況からでした。
ランにもまた修業を付けていたのですが
ユウキより格段に強く、中々に手強く感じていました。
ユウキ「姉ちゃんが負けた所、初めて見たよ」
ケイト「あとほんの僅かだったね。
まさかこれほどの相手がSAOサバイバー以外に居るなんて」
クレハ「ユウキも十二分に強いですよ、本当に」
ユウキ「本当?!嬉しいなー!^^♪」にこにこ
ラン「ユウキ、そろそろ」
ユウキ「ああ。時間だったね」
ケイト「?また例の抜けか?」
ユウキ「うん!キリ悪いのに、ごめんね^^;」
ケイト「大丈夫!また時間が合った時にでも続きをしようb」ぐっ
ユウキ「うん!^^b」ぐっ
そうして、二人は『またね』とログアウト。
私達の前から去っていった。
それらの違和感を拭えなかった理由は定かではありませんが…
何か、他の普通とは違う感覚がしたのでしょう。
私もまた、それを拭えなかったので菊岡さんに教えてもらいました。
SAOの情報と引き換えですが、それによって得た情報は奇しくも…
私達に抱かせた違和感を納得させるに十分すぎるものでした。
彼女達スリーピング・ナイツはメディキュボイドによる終末期医療を受けている者達で
そのメディキュボイドの開発者は茅場晶彦…
彼のその開発によって、完全に肉体の感覚をカットして
医療による『現実の痛み』等を感じることなく
意識さえあれば、自由に動ける仮想世界で患者を過ごさせることで苦痛や苦しみを感じないで済むようにする。
そういったことを、その時になって私達は知りました。
無論、次に起こした行動はただ一つ…
臨床試験の『薬』の開発に費やすことでした。