第32章 新ALO
それから後、ケイトが落ち着きを取り戻した数分後にサインをもらったユウキは
意気揚々と再びデュエルを申し込み、ケイトはそれに○を押した。
開始のカウントダウンが始まった瞬間、互いに剣を構えました。
その瞬間、先程のべそをかいたような表情から一転し
真剣な面持ちで、眼で、真っ直ぐにユウキを捉えていました。
そして0になった瞬間、ケイトは間合いを詰めた。
ユウキ(速い!)
その瞬間、ユウキはケイトの双短剣を軽く左右へ弾いた直後
間髪入れず、マザーズロザリオの構えとエフェクトをケイトへ繰り出し、迫った。
そこでさらにケイトは身体を下へ沈めながら詰め寄り、通り過ぎた。
その通り過ぎ様に、ユウキの両足を左腕で抱き締めた状態で立ち上がると同時に、双短剣の内の右手に持った短剣でその両足を斬り落とした。
それに伴い、ユウキの出したスキルは失敗。
ユウキ「え?!!」
ケイト「怒涛連斬!!」
ずばばばばばばばばっ!!!!
ぴたっ
そして空中で仰向けに落ちていくユウキに対し、ケイトは覆い被さるようにしながら怒涛連斬を繰り出した。
咄嗟に剣を構えるも、怒涛の如く繰り出され続ける剣圧と衝撃波の嵐により
ユウキの剣を弾き飛ばしながら続き、ユウキのHPが枯渇する途中で寸止めをした。
ユウキ「…っ(汗」ごくっ
ケイト「終わりだ」しゅっ
そう言いながらケイトは剣を下げながら立ち上がり、双短剣を後ろ腰へと直してユウキへ背を向けた。
勝負はこれまでという意思表示のつもりなのでしょう。
その直後、剣先を向けられた当時の緊張したような面持ちをしたユウキは一転して
目を輝かせながら再びケイトへと詰め寄りました。
それにしても…ケイトはいつものことながら、勝負の時となると辛辣になりますね。
まあ、育った環境が環境だけに仕方がないのでしょうが…;
父親による八つ当たりにも等しい過激な暴力から、誰も助けてくれなかったし
あざを付けたら、より強く怒られて殺されかけることから
あざが付かず、なおかつ殴ってすっきりさせるよう『受ける技術』を、必死に身に付けるしかなかったわけですし…;
その卓越した技術や、筋肉を付けた理由はどれも、そういった事情からで…
護る為だとか…哀しい理由ですね、何度思い返しても……;