第31章 帰還
クレハ「捨て切れなかった、捨て去れなかったっ;;
私、一生あなたの隣にいたい!
ちゃんとお付き合いをして、本当に結婚して、一緒に歳をとって!
ずっと…ずっと、色んな時を共に紡いでいきたいと!何度夢見たことか!!
何度…想い描いたことかっ;;
そんな想いばかりが、胸の内を支配していって止まらなかった!!」
そう涙を流しながら、私はケイトにしがみ付くように抱き締めた。
クレハ「グレイクと結婚した身でありながら、その3か月後に別れることを提案されました。
その時、否定できなかった。それほどに、あなたと結ばれたかった。
だから…結婚できるのだと知った時、子ができるのだと知った時、死ぬほど嬉しかった!;
あなたを愛するあまり、あなたがクラインと別れるまで、クラインに辛く当たるしか出来なかった。
男性という相手への初めての恋人とのことで、それがシャクに触って、否定することしか出来なかった。
私がいるはずだった場所なのにと、そう強く当たるしか…私には、なかったんです。
ええ。私は…彼のことが気に食わなかった。
当然のように隣に居て、あなたは笑顔で…それがとても嫌で、見ているだけで胸が痛かった!苦しかった!!
あなたもまた、私がグレイクと笑っていると苦しそうに表情を変えた。少なくともそう見えた。
でも無理やり表情を変えていた。
大丈夫だと私へ言い聞かせようとするかのように、笑顔を作っていた!
第3者のグレイクとクラインは言わずとも解っていた。
だからこそ取られそうだとクラインは心配になって言い出したり、グレイクはそれを察して身を引いてくれた。
あまつさえ、その結婚や子のことについて情報を与えてくれた。
自らに降りかかるであろう災難を顧みず、教えてくれた。
ケイト…浮気を心配しているのなら、こういった方法を取らずに直接言って下さい!!
私は!!あなた以外と結ばれようとなんて思ってもいない!!考えたことさえもない!!!!
だから…だからっ;;」