第31章 帰還
そして日が完全に入り、5時を過ぎた頃には既にその動画はニュースにまで出回っており
警察が動き出すだけでなく、その人体実験を執り行っていたというALOの管理者
須郷伸之の悪事と逮捕劇等までもが露見されることになったのだった。
その1時間強に亘る逮捕劇は生放送でも中継されており、目論見もまた明かされることとなったらしい。
悪事や目論見一覧↓
須郷伸之はALOを運営する「レクト・プログレス」に携わっている。
だがその裏で、親会社にも内密で直属の部下等、一部の人間と共に人間の記憶・感情・意識のコントロールの研究を進めており
その為の人体実験の被験体としてSAOプレイヤーに目をつけ、SAOサーバーのルーターに細工を施すことで解放されたプレイヤーからアスナやSaiverを初めとした約300人をALO内の研究施設に拉致する。
さらには意識が戻らない明日奈と結婚して「レクト」を手に入れ、研究成果と「レクト」を手土産にアメリカの企業に自身を売り込むことを企んでいた。
後に菊岡からの言葉↓
『SAO事件対策本部も茅場と同じ研究室に居た須郷をチェックしていたが、帰還した「SAO生還者」の健康チェックや社会復帰の手配で監視が手薄になり、また現実では一切尻尾を掴ませなかった』
『もし内部からこのような情報が送り込まれなければ、尻尾を掴めないままだっただろう』とも――
(Wikipediaから抜粋)
その結果、逮捕には成功したそうなのだがその間際に悪あがきをしたらしい。
監禁して閉じ込めていたアスナを解放するのも嫌らしく
そこに侵入する輩を蹴散らす為にも罠を仕掛けた後、必死に走って逃げていたらしい。
須郷の逮捕される間際の動画が未だ、何年経ってもなお当ページに残されている。
『おのれぇ!!!セイバアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』
その血走った目と怨恨に満ちた叫びに、世間の声は厳しく…
「ざまあみろ」「悪の末路」等とコメントされていたという。
無論、セイバーとはSaiverを示す言葉である。