第31章 帰還
合成しようと作業している内、8時間もの時間が経った。
それほどの慎重さというか、そもそも壁は壁でも大分と分厚く固い。
自分のアカウント一つを丸ごと、サーバーごと隔離させるほどのものなのだから当然かもしれないけれど
非常に精密さがいるようで、非常に時間がかかるようだ。
そうして昼の3時を過ぎた頃、材料も尽き、合成過程も全て終え、壁抜けができるようになった。
少しだけ手を重ねると、ちゃんと中へ入れることができた。
よし、合成はうまくいった。
んでもってSAOメニューにあるパソコンも呼び出した!
でも連絡先なんて知るかあああああああああああ!!!;
電話番号の一つでも聴いとけばよかった!;マジでアホなミスした自分!!;(頭抱)
それよりも…どうすれば外に出られるかなんだよ!本当にもう!!;
未だに監視張り付いてる気配ビンビンだし!一応光を使ってるけど壁の外には出れないし!!;
ミーすけはミーすけでいないわけだし?;
ってあれ?今思ったけどテイムモンスターなのに何でいないんだろ?
ひょこ
ケイト「!!!!??」がたっ
『?』
そう考えをよぎらせた瞬間、壁から頭だけ出してこられた。ミーすけに。
ビ…ビックリした!!;(ドキドキ)
ケイト「ミーすけ…来てくれたんだな」小声
ミーすけ「ぐる」小声
ケイト「ちょうどいい、今から光で動画を作る。
それを届けてもらっても構わないか?」
ミーすけ「ぐう」頷
小さな声で囁き合った直後、私はパソコンを前にしてある動画を作り出した。
といっても、ばれるわけにはいかないから光を使ってだ。
ミーすけにもまた光を使用しており、光速で動けるようにしてある。
データの整理の仕方、動画を作ってまとめる(379ページ参照)。
ミーすけに光で、実験現場の写真・動画、
今までに集めた研究等のデータ、その全てをコピーしてもらってから動画制作へと移行した。
光の脳への使用は厳禁だが(649ページ参照)、この際仕方ない!
一刻も争うのだから、この放送が広告のそれと紛れ込んで周囲へ配信されることを祈るしかない!
そう思いながら、私はある動画を作り、データとしてミーすけに託した。