第30章 ゲームクリア
ケイト「敵じゃ、ない…
あの時、一緒に笑ったのも、怒ったのも、泣いたのも…
全部、本物だった。生きていた」
ぽとっ
そう涙ながらの言葉がケイトの口から紡がれる中
周囲には、涙を浮かべる人が心なしか増えていった。
ケイト「大事な、親友との想い出を…親友を、刺せるわけないだろっ!
お前は…
こんな私を、何度だって護ってくれたのにっ!!」
肩を震わせながら泣くケイトの背を、彼はそっと撫でた。
その笑みは優しく、先程とは打って変わって穏やかだった。
ヒースクリフ「そうか……
君は…本当に、優しい人だ。
君に会えて…本当によかった」微笑&涙目
ケイト「それは、こっちの台詞だ。
バカやって、一緒になって笑って、はしゃいだり、叫んだり…
それは…お前がいたからじゃないかっ」
声を詰まらせながら涙を流した。
ケイト「だから…ありがとう。
一緒に居てくれて、たくさん助けてくれて、たくさん護ってくれて…
愛してくれて…ありがとう;
たとえ茅場でも、変わんないんだよ。
護ってくれなきゃ、もっと死んでた。
助けようとしてくれなきゃ、もっと殺されてた。
だから……
消えないで欲しかった。私も、護りたかった;」涙震
ヒースクリフ「…ケイト君…その気持ちだけで十分だよ。
それに、礼を言うのはこちらの方だ。
ありがとう」微笑
そう彼が静かにケイトの頭を撫でる中、ヒースクリフの涙がケイトの頭へ落ちてきた気がした。
ヒースクリフ「クレハ君…ケイト君を、任せたよ」
クレハ「ええ!言われるまでもありません!」
ヒースクリフ「ふっ…何故かな……
後々、君達の敵に回るつもりだったのに……
君達と共に過ごした日々は…とても、楽しかった^^」
パリィン!
どこか晴れやかな笑顔を浮かべた数瞬後、ヒースクリフはメニューを操作して自ら散っていった。
ケイト「うあああああああああああっ!;;
あああああああああああああああああああああああっ;;」
その光と共に散る彼を前に、彼女の慟哭はボス部屋に響き渡った。
共に越えてきた。護ってくれた。楽しい時間をくれた。
その掛け替えのない仲間の死と共に、私達は現実へ帰ってきた。
はずだった――