第30章 ゲームクリア
クレハ「ケイト……」
ケイト「?」
名を呼ぶと、ゆっくりと私の方を見た。息を荒げたまま…
私も、その中ではっきりと伝えた。
その圧倒的な実力に追いつけないまま、隣にいていた昔の頃が脳裏によぎる。
その時は…隣にいて、どこか胸を張れていない自分がいた。
あなたと対等だと、胸を張って言えないことが歯がゆかった。
でも、今は…違う。変わった。
クレハ「私は…今、こうしてあなたの隣にいることが、とても誇らしい」微笑
ケイト「!…私もだよ」微笑
クレハ「!…え?」
ケイト「お前に会えたから、私はここに居られた。
生きてこれた。護られてばかりだった。
だからさ…
どこか、後ろめたかった。あんなに負担かけてばかりでって…
歯がゆかったんだ。堂々と胸も張れなかった。
お前の隣にいていい存在かどうか、わかんなかったから…
けれどお前が望んでくれたから、傍に居れることがとても嬉しかった。
それだけでいいって思ったんだ」
クレハ「…」
目を見開く中、一つの想いが胸をよぎった。
『まさか…同じだった?』と…
ケイト「でも…」
ケイトから見て左肩の上にいる私の頭に対し
左手を伸ばして私の右頬へ回して手が触れる感覚がした折、声が小さく響いた。
ケイト「こんなに誇らしいことは、ないよ^^」
真上を向いたまま、満足げに微笑むケイトに
その言葉を聞いた瞬間、涙が溢れ、頬を伝った。
クレハ「ええ!^^」
それに、私も頷きながら真上を向いた。
ケイト「だからさ…クレハ、ありがとな。
隣に居てくれて、追いついてきてくれて、今…本当に嬉しい(涙目)
お前に会えて、一緒に生きてこれて…本当によかった」
クレハ「っ;」涙目
ふと隣から響く声に、私は涙を滲ませた。
共に居れることが嬉しかった、でもそれ以上に…
あなたを愛して、結婚できて、今という時間が誇らしく、嬉しくてしょうがない。