第30章 ゲームクリア
周囲ができるのは見守ることのみ、
それらの研鑽の証である実力を前にして息を呑みながら、黙って見守ってくれた。
当の私達は、一つの武者としての積み上げてきた形を証明しようとしていた。
松野『凄まじい!!
互いに同程度減りつつあります!!
目も離せない!息もつけない!互いに残り6割に達した今!!
あと1割で!!僅か1%で決着がつく!!
次でラストの攻撃となるでしょう!!!!』
それを前に今までとは打って変わって拳を握り、息を呑む観客達の前で
クレハ/ケイト『飛流、奥義!/風月流、奥義!』
クレハ/ケイト『紅葉!!/一閃!!』
がきぃいいいいんっ!!!!!!!!!!!!!!!!
凄まじい衝撃波と共に響く、甲高い激しく揺さぶるような音。
ぶつかり合う本気と本気。
ケイトの左手の左短剣と、私の右手の右クローが激しくぶつかり合い
同時に互いを掠めており、同時にHPが同程度減って緑から黄色へ変わったことから終了。
ばたっ
と同時に、どちらからともなく互いへ向けてうつ伏せに倒れ伏しました。
ケイト「全部…出し切った」
クレハ「ええ…これ以上は、戦えません」
ぜえぜえ
互いに息絶え絶えの中
それから仰向けになりつつ、互いに笑い合った。
初めて、全力同士をぶつけ合えたから。
松野『どちらもクリーンヒットなし、文句なしの同率優勝です!!
というか、流石に二人とも立てない!バテバテだあああああ!!』
『わああああ!!あああああ!!!』
歓声が鳴り止まぬ中、私は左にいるケイトを見ながら呟いた。
胸の中に押さえ込んでいたケイトへ抱いていた想いを、解放するように…