第4章 中華な翔ちゃん
雅紀side
翔ちゃんが水で顔をバシャバシャと洗う。
まさか油が飛んで火傷しちゃったとか?
「どうしたの? 油飛んだの? 火傷した?」
俺はフライパンを放り出し、翔ちゃんの肩を掴むと、濡れた顔を覗き込んだ。
「だ、大丈夫…だから…」
「大丈夫じゃないでしょ? ちゃんと顔見せて?」
背けようとした翔ちゃんの顎を掴んで上向かせる。
でもどこにも火傷の痕はなくて…ε-(´∀`*)ホッ
「良かったぁ…。火傷したんじゃないんだね?」
コクンと頷く翔ちゃん。
俺は手近にあったタオルを手に取り、翔ちゃんの濡れた顔を拭いた。
拭いちゃった後で、そのタオルが台拭きだと気付いたけど、それは内緒にしておくことにしよう。σ(//ω//)テヘ
「だ、大丈夫だって言っただろ? 心配し過ぎなんだよ…」
「そうは言うけどさ、翔ちゃんに火傷なんてさせたら、俺…」
ん…?
俺、今何言おうとした?
”生きていけない”なんて…
いやいや、言えないよそんなこと(//∇//)
たとえ翔ちゃんのウルウルな瞳に焼き尽くされても…
って…、なんか臭くない?クンクン (*´ω(・ω・*)
「おい、雅紀フライパン!」
へ? フライパン?
「あっ! ウソッ! うわぁっ!」
モクモクと黒い煙を上げるフライパンを、俺はシンクの中に放り込んだ。