第4章 中華な翔ちゃん
雅紀side
まさかハムを定規で計って切る人…
始めて見たかも…(;^_^A
そりゃ分かるよ?
翔ちゃんの性格上、キッチリしておきたいんだろうけどさ…
まさか定規で計るとは…
でもって卵だよ…(笑)
多分、だけどさ、殻が入っちゃうこと心配してんだよね?
仕方ない。
ここはやっぱり”手取り足取り作戦”でいくしかないね。
俺は翔ちゃんの背後に回ると、後ろから手を回して、翔ちゃんの両手を握った。
「いい、翔ちゃんは力抜いててね? 俺に任せて?」
「わ、分かった」
しっかり握った卵を、シンクの縁でコンコンしてから、ボールの上で卵をパッカ~ンと割る。
ボールの中に、ポトンと落ちる卵。
「綺麗に割れたね」
「殻…入ってないよな?」
もぉ、どこまで心配性なんだよ(;^_^A
「大丈夫、入ってないよ。だから安心して?」
「いや~、俺さ、あの卵の殻がガリッってなんの、超嫌いなんだよ」
それってさ、逆に好きな人いんの?(笑)
「さ、次は卵混ぜ混ぜするよ?」
菜箸を翔ちゃんの手に握らせ、ボールの中の卵を混ぜ混ぜ…
って、これくらいは翔ちゃん一人でも出来るよね?
何で俺、ずっと手握ってんだろ…?
なんだろ…顔、熱い…