第4章 中華な翔ちゃん
翔side
5㎜角に切れと雅紀は言った。
俺は包丁をまな板の上に置き、キッチンを出た。
そしてリビングにあった引き出しを開けると、ある物を手にまたキチンへと戻った。
それを、まな板の上のハムの上に置き、再び包丁を手にした。
「な、何してんの?」
「なに、ってお前…。5㎜角に切るんだろ? だからこう、物差しで計ってだな…」
…って、俺、何か間違ってる‥σ(๑• . •๑)?
「あのね翔ちゃん? そんな一々図る必要はないの。大体でいいんだよ? それにさ、それ…あんま綺麗じゃないよ?」
言われてみれば確かに…
綺麗に洗ってから使えばよかった…(>_<)
雅紀に物差しを取り上げられ、俺は目分量でハムを刻んだ。
出来上がりは何とも不格好で、大きさもまちまちではあったが、とりあえずは合格、ってところだろう(((uдu*)ゥンゥン
「じゃあ、今度は卵割るよ?」
卵を割る作業…
これが俺が最も苦手とする工程かもしれない。
なんたって卵の殻がね、どれだけ慎重に割ったとしても入っちゃうんだよな…。
「大丈夫、落ち着いて?」
卵を握ったまま動けずにいる俺の手に、雅紀の手が重なった。
「なんなら手伝おうか?」
俺が頷くと、雅紀が俺の背後に回った。