第8章 アカデミーな相葉ちゃん♥
そしてとうとう、新作映画のクランクインの日がやって来た。
早々にスタジオ入りした私は、大道具と小道具のスタッフに一通りセットの準備をさせると、スタジオから出るように伝えた。
セットさえ組んでしまえば、もう彼らに用はない。
必要なのは、一台のカメラと、私のこの溢れんばかりの才能、そして相葉雅紀、それだけだ。
私はスタジオに組まれたセットを前に、革張りの立派な椅子に座って、ホットパンツから伸びた白い足を組み、
「遅い…、新人のくせに私を待たせるとは、大した根性だ…」
一人ごちった。
その時だった、スタジオのドアが開き、バタバタッと足音が聞こえた。
「す、すいません! 遅くなりました!」
やれやれ…、漸く主演俳優のお出ましだ。
私は椅子から立ち上がると、頭が地面に着くくらいに深々と頭を下げる相葉雅紀に向かって右手を差し出した。
「君が相葉君だね? 随分待ったよ」
「どうもすんません。緊張しすぎて、昨日の夜中々寝付けなくて…」
そうかそうか…
新人、なんだよな…
そりゃ緊張もするよな…
仕方ないか…
「今後は気を付けたまえよ?」
「はい、以後気を付けます。…ところで、他の出演者の方は…?」
「ああ、それなら…。出演は君”一人”だ」
共演者は、ZE~RO~♪ってね(・ω<)-☆