第7章 ギラつけニノちゃん
「さ、和也君も一緒に!」
ソファーの上にチョコンとすわったま座ったままの和也君に右手を差し出す。
でも和也君は、捥げるんじゃないかってくらいにブルンブルン首を振って、
「わ、私はいいですよ…。それにダンス苦手だし…」
またまた~
謙遜なんて、今時の若者には似合わないって
「苦手でも何でも構わないよ、さ、さささ」
俺は和也君の手を引き、強引にリビングの中央へと引っ張った。
そして和也君の腰をガシッと掴んで、リズムに合わせるように、右へクイッ、左へクイッと動かしてやる。
想像以上に細い腰に、折れてしまわない様に細心の注意を払いながらね
そりゃそうだろ、なんたって和也君は俺の大切な友人の二宮君の息子なんだから。
ぎっくり腰にでもなったりしたら大変だからね。
それこそ申し訳が立たないってもんだ。
「どうだい? 少しはコツが掴めてきたかい?」
「は? コツって…。そんなの分かりませんよ…」
う~ん…、どうも呑み込みが悪いようだね。
「よし、ではこうしよう。和也君、ちょっと向こうを向いてくれるかい?」
「こ、こうですか?」
和也君が戸惑いながらも、身体を華麗にターンさせて俺に背を向ける。
「そうそう、上出来だ」
それに加えて、二つの小高い丘を見下ろしたこの絶景…
う~ん、堪らん