第5章 Ze~ro~な智くん
智side
何とか取り繕ってはみたけどさ、メイクさんが変なこと言うから、その度に心臓が跳ね上がる。
だって運動はしてないよ?
でもさ、あれって運動みたいなもんじゃん?
それにさ、僕のお尻の中、まだ”アレ”入ったままのなんだよ?
まさか本番中に動いちゃったりしないよね?
なんか不安だな…(>_<)
「じゃ、そろそろ本番なんで、スタンバイお願いします」
「はい。じゃ、智くん、行こうか?」
「うん」
翔くんが僕の手を引いて、キャスター席に座る。
「本番まで5秒前! 4,3,2,1…」
聞きなれた音楽が流れ、いよいよだ…って思ったその時、僕のお尻の中で”アレ”がブルッと震えた。
嘘…だよね、翔くん?
だって本番だよ?
僕、これからニュース読むんだよ?
難しい字や言葉、い~っぱい言わなきゃなんだよ?
それなのに…困るじゃん!(>_<)
「それでは、次は大野キャスターの三面のコーナーです」
「へっ…あっ、はい…。えっと…、今日の三面は…あん…」
しまった、立った拍子に”アレ”が”アソコ”に当たって変な声が…
「大野キャスター? どうしました? あ、緊張してるのかな?」
もう、こうなったのは翔くんのせいなのにぃ(T^T)
「あん…、ん…、いぇ…、らい…じょぶ…れす…」
あ~あ、絶対コレ放送事故確定だよ…(>_<)