第5章 Ze~ro~な智くん
翔side
軽く打ち合わせを済ませると、本番までの時間を、俺達はそれぞれの楽屋で過ごすことにした。
内心、智くんの中に入ったままの“イボイ棒”のことが気にはなったが、智くんが”どうしても”なんて言うから、仕方ない。
ま、リモコンは俺の手の中にあるし?
なんなら遠隔操作だって出来ちゃうし?(o´艸`)
それに智くんに用意された楽屋は、俺の楽屋のすぐ隣。
壁に耳さえ当てれば、中の様子だって伺うことだって可能だ。
智くんの身に何かあれば、すぐにでも飛び込んでいける。
安心と言えば…、まあ安心か(-ω-;)ウーン
さて、と…
本番までの一時間か…
いつもなら原稿の読み直しをするところだけど、今日は予想外の事態に、ちょっと疲れたな…ε-(´-`*)
仮眠でもしとくか♪
鞄からピンクのアイマスクを取り出し、丸めた座布団を枕に、ゴロンと横になり、アイマスクを装着した。
「ほぐれるぅ~♡」
じんわりと暖かさが染み渡って、全身の疲れが抜けて行くような気がする。
と、同時に睡魔も…って、やっべ!
アラームセットすんの忘れてた(;^_^A
折角いい感じになって来たアイマスクを外し、スマホを手に取る。
「あぁ…、あん…」
えっ、今の声って…Σ(⊙ω⊙)
もしかして智くん?