第5章 Ze~ro~な智くん
翔side
”透き通るような声”と称されることが多い智君の声が、あろうことガラガラ声に…( 」´0`)」Oh nooo
しかも俺のせい…?
大問題発生…だよね、これって…(;^_^A
放送開始まで、後一時間もないってのに、どうするよ…
って、迷ってる暇はない。
もう少ししたらスタッフが呼びに来る。
俺は畳に散らばった智くんの服を掻き集めると、大急ぎでそれを着せ付けて行った。
”イボイ棒”を抜くのを忘れたような気がするけど、そんなこたぁどうでもいい。
だってほら、
「大野さ~ん、そろそろ時間で~す」
スタッフが呼びに来ちゃったし…
「ど、どぉずんの、ごのごえ…」
「ど、どうするもこうするも…、そのまま行くしかないっしょ」
あ~、俺ってば超無責任σ(//ω//)テヘ
「で、でぼ…。ケホッ…」
「あ~、ほら喋ったりするから…。ほら行くよ?」
俺は戸惑う智くんの腕を引っ張って立ち上がらせると、智くんの首元でダラーんとだらしなく緩んだネクタイを、キュッと締め直した。
「いい? 智くんは、ただ黙って座ってればいいから。後は俺が何とかするから。ね?」
そうだ。
そもそも誰も智くんに”喋り”を期待なんかしちゃいない。
智くんは、ただ俺の隣に座って、フニャンと笑ってれば、それで成立する筈だ。
後は俺が…(*-`ω´-)9 ヨッシャァ!!