第2章 マッスルニノちゃん
和也side
ジムの扉を開けると、まるでゲームの世界から飛び出したかのような、キラキラしたお兄さんが、時計を見上げて立っていた。
私、ちょっと場違いじゃありません?
いや、ちょっとどころじゃない。
かなり場違い(;´д`)トホホ…
それでも私は意を決してお兄さんに声をかけた。
「あの…」
私の存在に気付いたのか、お兄さんが私を見る。
上から下まで舐めるように…
「体験コースの予約をした二宮ですけど…」
私が言うと、お兄さんが驚いた様子で、一枚の用紙を差し出してきた。
私はお兄さんに言われた通り、用紙に必要事項を記入していく…が、
「この職業欄なんですけど、私実はニートでして…」
そう、私は”ニート”。
ニートは、当然のことながら職業ではない。
私の様に”ニート”が、例え体験とは言っても申し込みをしても良い物だろうか?
う~ん、これは困ったぞ…(;´・ω・)ウーン・・・
「ちょっと失礼?」
「えっ…?」
考えあぐねている私の前髪を、スッと伸びて来たお兄さんの手がそっと掻き上げた。
「あ、あの、私の顔に何か?」
私は真っ赤に染まったお兄さんの顔を見上げた。
するとお兄さんはフッと私から視線を逸らして、
「好みだ」
と言った。
ねぇ、それってどういう意味(๑• •๑)?